1995年ヨーロッパFAS別時学道(接心)

ジェフ・ショア
風信第33号(1995.12.9)

 7月19日から23日まで、オランダのグレイル・ムーブメント(Grail Movement)のティルテンベルグ・カトリック・リトリート・センターで、海外で初めてのFAS別時学道(接心)が45名が参加して行われた。
 この別時のまとめ役は、ティルテンベルクの禅プログラム主任のクリスタ・アンビークChrista Anbeek神学博士。京都FASからは越智通世氏とショアが参加、越智氏は直日、ショアは警策なしの警策として姿勢などを正した。
 ショアによる最初の提綱(講義)の後、ニコ・ティードマン(Nico Tydeman)氏が師の役割について、トン・ラタウワー(Ton Lathouwer)氏が基本的公案について、そして最終日に越智氏が提綱を行った。 参加者はポルトガル、ドイツ、ベルギー、オランダ、スウェーデンなどから集まり、平均年齢は40歳代。80歳をこえる高齢者も数人いた。
 ベルギーの20世紀哲学を代表する哲学者の一人であるレオ・アポステル氏(Leo Apostel)も参加されていた。長年、心臓病との闘病生活を続けていたが、残念なことに接心終了の3週間後に70歳で他界された。別時の後の反省会で、アポステル博士は「解決はまだ見つからないが、本当の問題がいったい何であるか、ついに明確になった」とおっしゃられて、多くの人が共鳴していた。ぜひ来年もという参加者が多いということである。
 1996年は、7月29日から8月4日まで行う予定。(7月29日〜31日はヨーロッパでの基本的公案と相互参究を今後どのように進めていくかを追求するセミナーを開催する。常盤義伸氏は久松先生についての話を依頼されている。8月1日〜4日は接心を行う。) 日本からは越智氏、常盤氏、米田氏、ショアの4人が参加の予定。まとめ役のアンビーク博士をはじめ参加者全員から「京都FAS協会からの計りしれない支援」に対する深い感謝の気持ちが寄せられている。